冬哉の目の前でこんなにはっきり言える栗山さんは、すごいと思う。
それにやっぱりマドンナ的存在だっただけあって、とても可愛い顔をしてる。
3日前のあたしだったら、栗山さんの方が冬哉にふさわしいんじゃないかって、きっと弱気になっていたと思う。
でも今は──。
「ただの幼なじみじゃないよ」
「は?」
「冬哉の彼女になったから」
「は……えっ?何言ってんの!?」
目を白黒させる栗山さんは、確かめるように冬哉に目を向けるけど……。
「そういうことだから。もう付き纏うなよ」
あたしの肩を抱いて、栗山さんを置いていくように歩き出した。
「嘘、でしょ……」
呟いてヘナヘナとその場に座り込む栗山さんが、横目に映る。
こうして今日から、冬哉に好意を寄せる女の子を相手しないといけないと思うと、少々気が重くなって苦笑した。
だけど……。



