「えっ、あっ、ちょっとここ外っ……!」

「誰も見てない」


そう言って、抱きしめる力をぎゅっと強くする冬哉。

すっぽり体を覆われて、本当に誰も見ていないのか確認する術もない。

でも──。


「やっと認めた。どれだけ待たされたと思ってんだよ」


声色から、触れ合ったところから、冬哉の気持ちが伝わる気がして……あたしはそっと冬哉の背中に腕を回した。





赤ちゃんの頃から、ずっと一緒だった。


好きなもの、嫌いなもの、

お互いのことなら何でも知っていて、

まるで双子のきょうだいのようだった。



だけど、知らなかった冬哉の気持ち。

気付かなかった自分の気持ち。



ずっと変わらないと思っていた関係は今、確かに変わって。

だけど『幼なじみ』じゃなくても、これからも変わらず、きっとずっと一緒にいられる。


だって──。