「だから、小三の時からずっと片想いしてんの。夏海にずっと」


真っ直ぐにあたしを見つめ、言われた言葉に息が止まりそうになる。


「お前鈍すぎだし、勘違いだっていうならもうとっくに冷めてる。でも……」


言いながら冬哉の指が、あたしの頬に触れる。



「今も変わらず、夏海のことが好きだ」



フッと優しく微笑んで言われた3秒後、あたしの目からはまたボロボロと涙が溢れた。



いつか冬哉があたしから離れてしまったら、そう考えるととても怖い。

だけど、さっき他の女の子が冬哉に近付こうとした時、ものすごく嫌だった、怖かった。


きっともう、どう抗っても元の『幼なじみ』には戻れない。

ううん、戻れなくて大丈夫──。



「あたしも冬哉のことが好き……」



やっと言うことができた自分の気持ち。

溢れる涙を拭って顔を上げようとすると、


「っ……!」


グイッと手を引っ張られ、あたしはそのまま冬哉に抱きしめられた。