夕食後、少し話をしてからママは隣の自分の家に、あたしは部屋へと戻った。

パタンとドアを閉めてから、二、三歩進むと崩れるように、その場に座り込んだ。


つ、疲れた……。


冬哉にありのままの気持ちを伝えようとしたのに、肝心なところが言えなくて。

そしたら、ママが急に帰ってきて、そのままみんなでご飯を食べることになって。


色んな感情が追いつかないまま食事を流し込んだから、今少し気持ち悪い。


でも、そっか……明日には自分の家に戻るんだ。

だったら今すぐにでも、さっきの続きを伝えに冬哉のところに行かなきゃ……って思うのに、あたしの体は動かない。


冬哉のことが好きだって、言えたはずなのに言えなかった。

直前になって、気持ちを伝えるのが怖くなった。

だって、言ってしまったらあたし達は──。



「夏海？」


コンコン、とドアをノックする音とほぼ同時に聞こえた声。

今正に考えていた人の声に、あたしはビクッとしながら「はいっ」と反射的に返事した。すると、