「どうしよう。俺、人を殺して……」

 そんなことをブツブツと呟いている。
 私が死んだことを悔やんでおらず、自分の保身しか考えていない。
 不意に私の視界はぐるりと動き、木の根と冬馬の姿が見えるようになった。どうやら重力で顔が動いたらしい。

「ヒィッ‼︎」

 死んだ私と目が合った冬馬が小さく悲鳴を上げる。