桜の木の下まで歩いた私は昼間と同じ場所へと座る。上にある桜はそよ風でゆらゆらと揺れ、その隙間からオレンジ色の夕暮れが見えた。
 日が落ちたせいか、そよ風でも寒さを感じて私は体を震わせた。両手で自身を抱えて温かくして彼が来るのをジッと待つ。
 ここで待っていたら必ずハヤテさんは来る。そしたら絶対に伝えるんだ。
 私もハヤテさんと一緒にいたいって。
 それから何時間か経ったのだろう。いつの間にか眠っていた私の肩を誰かが揺すった。

「ハヤテさん‼︎」