「もっとゆっくりしたかったな……」
「送って行きますよ」
「いいえ、私1人で大丈夫ですよ。まだ昼食も残っていますし、ハヤテさんが食べてください」
「ですが、1人であの獣道は危ないですよ?」
「ハヤテさんが安全に案内してくれたおかげで、どう歩けばいいか覚えました。私は大丈夫ですので、ハヤテさんはゆっくりしてください」

 私の言葉に食い下がるハヤテさんに、私は首を横に振って断った。私の決心が変わらないと思ったハヤテさんは諦めた顔をする。