狂ったのは?

「ごめんなさい。せっかく連れて来てくれたのに、すぐ帰ることになるなんて……」
「気にしないでください。栄子さんこそ、この桜が気に入っていたのでしょう?」
「はい。しばらくこうして見ておきたいくらい」

 私は顔を上げて桜を眺める。時間があればずっと見ていたいのに……。

「それでしたら、また見に来ませんか?」
「え?」