ハヤテさんの手に引かれながら歩いて行くが、細道よりも酷いいわゆる獣道だった。当然掃除なんてしていない道だから枯葉や石がごろごろとあり、散策デートの為に歩きやすいシューズで来た事に安堵した。
 周囲を見回しても杉が生えていて深緑の森は暗くてジメジメしている。
 本当について行って大丈夫かな?
 ハヤテさんの背中を見ながら、私はだんだん不安になる。
 すると時折私の様子を見る為に振り向いたハヤテさんと目が合い、彼は私の表情で察したのか優しく話し掛ける。