「それじゃあ行きましょうか。えっと、お名前を聞いても?」
「栄子、です」
「では栄子さん。こちらです」

 私の名前を呼んでハヤテさんはお気に入りの桜の木の後ろへと歩き出した。私も手を繋いだまま後をついて行くことにした。