「ああ。名前も名乗らず失礼しました。僕はハヤテと言います。迷惑を掛けたお詫びとこの桜を気に入っているのなら、ぜひ案内させてください」

 ハヤテと名乗る男はそう言って体を起こした。ハヤテさんが立ち上がって分かったけど、彼は顔だけではなくスタイルも良かった。
 180㎝くらいはありそうな高身長と細身の体、スラリと伸びる足は誰が見ても格好が良い。
 そんな彼が私に手を差し伸べてくるので、無意識にその手を取り私も立ち上がる。手を取った私にハヤテさんが微笑んだ。