「これ、あたしももらっていいの?」

「はい。エマ、学校帰りにこうやってコンビニで買い食いするのちょっと憧れてたんです」

「ありがとう」

学校を出てしばらく歩くとエマは近くのコンビニに立ち寄った。

出てきたエマの手にはビニール袋が握られていた。

エマが差し出したアイスを受け取り、あたし達はそれを食べながら歩いた。

コンビニに着くまでにエマにバッシュの話をした。

『きっと見つかりますよ』

エマはそう言って励ましてくれたけど、どうせ見つからない。

あの3人の誰かに盗まれたのか、それともあたしを困らせるために処分したに違いない。

こんなことになるなら……あのバッシュを履かなければよかった。

あたしの落ち度だ。こうなるかもしれないともっと想像力を働かせておけばよかった。