「文句言ってないで、手伝えば早いんじゃないか?」


そんな声がして、船見くんが3人の前に立った。


「でも、それはその子の仕事じゃん」


「俺たちはなんの仕事もしてないのに、文句だけ言うのか?」


船見くんの言葉に教室内からざわめきが消えていく。


変わりに船見くんの友達が何人か立ち上がり、理科の準備を手伝ってくれはじめたのだ。


「確かに、人にやらせておいて文句言うのは違うかもな」


「だよなぁ。お前ら立ってるんだから手伝えよ」


男子たちにそういわれ、女子3人組は居心地が悪くなったのか自分の席へと戻って行った。


あたしはホッと胸を撫で下ろす。


だけど自分のミスはミスだ。


準備を進めている間、あたしはずっと沈んだ気持ちのままだったのだった。