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母親のおかげでいい気分転換になったが、いつもの町並みが見えてきたとき、あたしは車外に船見くんの姿を見つけていた。


車は赤信号で停止していて、船見くんは横断歩道を歩いていく。


あたしはその姿に釘付けになっていた。


楽しそうに笑っている船見くん。


隣には見知らぬ女の子。


その距離は肩がぶつかり合うほどに近い。


時間にしてほんの数十秒の出来事だった。


信号機は赤から青に変わり、車は動き出す。


外の景色は流れ始めたのに、あたしはいつまでも呆然として外を見つめていたのだった。