ここで、私が10歳だった頃の話をしようと思う。 あの時は確か、友達恋バナで盛り上がっていた。 「ねえ花、花って好きな人いるの?」 「え~。教えなきゃだめかな、それ?」 私は少々渋ったが、亜子《あこ》という友達に 「亜子の好きな人を教えてくれたら教えてあげる」 と条件を出して、情報交換した。