「せっかく休みだし、遊園地いかない?」


純大の突然の提案で
私達は地方の遊園地に来ていた。



「遊園地、はじめて。」

「ひまりは、なんでも初めてだね。」


思わずはしゃいでしまった私を眺めて、蓮兄は嬉しそうに笑った。


「う〜ん、もしかして、あっちの方も初めて…かな?」

「…」


いちいち下ネタを挟んでくる有の小指を思いっきり踏んでやった。


「ぐわっ!!」


後ろで歩けなくなって、叫んでいる。


ざまぁみろ。


有はいちいち人をからかってきて
ちょっと腹立つ。



「有どうしたのかな?」

「知らないっ!純大さん行きましょう。」

「わぁ、遊園地なんて何年ぶりだろう!ありがとう!」


純大はとびきりの笑顔で私の手を取った。


もう
この人は、どこまで優しいんだろう。


こっちこそありがとうなのに。