突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①

冷たいご飯、美味しくないご飯。


「パパ、ママは…?」


「うるさいっ!あいつは男と出て行った!!お前を置いてな!」


パパはグラスを床に投げつけて、私を睨みつけた。

破片が飛び散り、焼酎のアルコールの匂いが
部屋中に広がった。



その時の顔は今でも
忘れられない。


蔑むような
憎々しい思いを含んだ瞳。


今考えると
ママに似ている私が気に入らなかったのかもしれない。


そして、ついにパパも帰ってこなくて、
代わりに親戚のおばさんがやってきた。


「ごめんね…うちも無理なのよ。」



ため息をつくような
憐れむような
そんな顔でおばさんは私の頭を撫でた。


私は施設に入ることが決まって

あぁ、
親に捨てられたんだって
分かったんだ。