「えっ!ひまりちゃん??うっそー!杏奈みたい。」


リビングに戻ると純大が私を見て
目を丸くした。


「いいじゃん。これなら、普通にバレないと思うよ。」


蓮は私の髪をクシャッとして
嬉しそうに笑った。

本当は複雑な気持ちに違いないのだろうけど…。


「有は本当メイクとかうまいよな。」

「色々遊んでるからでしょー。」

「ジュンちゃんも少しは見習えば〜?色気とか出るかもよ。」

「蓮兄!ひまりちゃんの前でやめてよね。」


純大はほっぺを膨らまして、ソファに転がった。

有はいつの間にかベランダで煙草を吸っているようだった。


「あの…、杏奈さんと有って…」


自分が余計なことを詮索しようとしていることに気づいて、慌てて言葉をとめた。


「ん?なんか言った?」

「いえ、忘れないように鏡見てきますっ!


幸い蓮の耳には届いていなかったようで、
私は慌てて洗面所に向かった。