なんでこんなことに…



どきん




どきん。




「ちょっと…、動くなよ…。力抜いて…。」

「んっ…///」


そう言われても緊張して
そんなじっとしていられない。


有は私の顔をじっと見つめ、頬をそっと撫でて、パウダーをはたく。


至近距離で甘いマスクに、じっと見つめられて、私の心臓が悲鳴をあげていた。




私は蓮のススメで
有からメイクをほどこされていた。


有の部屋は甘くスパイシーなアロマの香りが残っている。


「……。」


リビングから聴こえる蓮と純大の笑い声が、
逆に部屋の静かさを際立たせ、

ひまりを更に緊張させた。