こんな風に人と朝食を囲むのは
久しぶりだった。


「ジュンちゃん、口の周りにケチャップついてるよ。あはっ。」


蓮はよく笑う人だ。

そして、なんだかお母さんみたい。


「ひまり、食べてる?」

「はい。美味しいです。」


蓮は私の額をコツンと指ではじいた。


「敬語はなしだよ。もう、俺の妹なんだからね?」

「あ、はい…」

「ほらーまたー!あはは。お兄ちゃんって呼んでよね。」


蓮は優しく微笑んだ。

本当にこんなお兄ちゃんがいたら良かったのに。


「じゃあ、俺も!ジュンちゃんでいーよ。杏奈もそう呼んでたし。」

「だから、ジュンちゃん!口に入ったまま、話さないっ!」


ふふ。
楽しいな…


こんなのが仕事でいいのかな。