「え、"吉沢商店"の…息子さんなんですか?」

「そ。運命だねぇ。ぜひぜひポスター貼ってあげなよ♪」



吉沢商店は
両親が営んでいた小さな商店の名前だ。


…こんなところで耳にするとは思わなかった。


それに蓮兄が息子だと知っているようだ。


両親の知り合いなのだろうか?



「あなたがよく言いますね…張本人なのに。」



…張本人?


その言葉になぜか妙な予感がして、
化粧室から出ると、思わず二人の後をこっそりつけた。


ガラの悪そうな二人がエレベーターを待っている。


「だって、白いバンで、よしざわ商店って言われたらね?間違えるでしょ。」

「はぁ…拓哉さんが間違えたせいで、関係ない二人が死んで色々大変でしたよ。」