とっさに隠してあった帳簿を抱えて飛び出した。


何となく使えそうだと思ったから。


追ってくる様子からも
やっぱりやばい帳簿だということを確信した。


これを使って、なにか取引できないだろうか…


これといった好機もなく、
時間が過ぎて行く。


今は、晴人の知り合いという人の家にお世話になっている。


誰なのかは教えてくれなかったけど、
最初にすこしだけ会った時の鋭い目が怖かったのを覚えている。


晴人は信頼できる人で、きっと助けてくれると信じているようだった。


何も手段がない今は、とりあえず厄介になるしかなかった。