「あの、杏奈さん…ですよね。」


振り返ると、そこには帽子を深くかぶった誰かが立っていた。



声からすると女の人のようだった。


「あ、あの…失礼ですが…。」


小柄な女性は身を震わせて、声を絞り出した。


「やらないでって言ったのに…。」

「え?」



ちょうどアンコールを終えた三人が
出てくる。


「Sunriseは…私だけのものなのに…。」



その視線に咄嗟に身体が動いた。



いけない!



ふと忘れかけていた
脅迫文が頭をよぎる。



女性はひまりを振り払って、三人に向かって走り出した。



「ダメ!」


女性の手元にキラリと光る何かが見えた。



三人は、私が…



守るんだ!