「ねー唯ちゃん…今日の夜、ジュンちゃんに部屋に誘われたの。どうしよう。」


唯人(ゆいと)で唯ちゃんと呼ばされていた。


「どうもくそもないわよ!絶対やりなさいよ!」

「もー…」


本当に身も蓋もない…。


「木村君に手を出したら殺すからね!」

「出すわけないじゃん…。もー…」


相談した自分を後悔しながら、
写真を送る約束だけして、電話を切ろうとすると言葉を遮られた。

「もうっ!考えすぎなくていいのよ。好きなんだから。それに身を委ねればいいの。じゃあね!」

「あ、唯っ…」
 

ツー

ツー



電話は嵐のように一方的に切られたが、
なんだか心はスッキリしていた。


「…唯ちゃん、ありがとう。」