「ただいま。」


玄関に入ると、たくさんの男物の靴が
散乱していた。


見た感じ、生活感がただよっている。


事務所か何かと思ったが、
どうやら男の自宅のようだった。

入って…と言われ、
緊張しながらくたびれたスニーカーを脱ぐ。

その男は、それをさっと揃えてくれた。

なんだか
こういうの慣れない。

だって今までこんな事されたことない…。


リビングから聞こえる物音に
思わず男の背中に隠れるように廊下を進んだ。