「ふ…二人は好き合ってるんじゃないの?」

「え?誰が?俺とひま?」


有の明らかに怪訝な顔を見ると、やっぱり俺の思い過ごしだったのだろうか。


「だ、だって。き、キスしてたじゃん!」

「あー…見てたんすか?」


キスしていたのは事実なのかと思うと
改めて胸が痛くなった。


「でも未遂っすよ♪俺が無理矢理しようとしただけだし。」


たしかに少し距離があったし、したよう見えただけだったのかもしれない。


直感で動いたり
早とちりするのは、悪い癖だ。


で、でも…
しようとするなよ…。


「あいつに優しいからさ…ちょっと甘えちゃったんだよね。ジュンちゃんの気持ち知ってたのに、ごめん。」


有は謝ると深く深く煙を吸い込んで、
その煙を静かにゆっくり吐き出した。


その横顔はやっぱり男から見ても、セクシーだと思う。


自分にはない。

少し羨ましくなった。