「あれ?ジュンちゃん、どこ行った?」


蓮兄がステージ上を探す声がする。


「ジュンちゃ…」

「しぃ…」


ステージ裏に引きずり込まれて、
長い脚の間にはさまれたまま、息をひそめる。


蓮兄は声的にすぐそこにいる。


ドキドキ

心臓の音が聞こえてないかな…?

どういうつもり?


純大は私を抱きしめたまま、動かない。


「ひまり…」


少し体を離すとじっと私を見た。


「とりあえず…あいつ抜きでやるか。まったく…ウンコか!」


蓮兄はぶつぶつ言いながら
ステージ真ん中に向かう。


「なっ!」

「くすっ、お腹痛いの?」

「ちがうっしー…」

「あはっ…っ」


こんな風に純大と笑うの久しぶりだ。

胸がとってもとっても苦しくて、嬉しい。


「コラ。」


上からコツンと頭を叩かれて、顔をあげた。


「…あんま笑うとキスするよ?」