「重っ…」


ひまりは、リハーサルに使う衣装が入った段ボールを運んでいた。


大きい段ボールを重ねて運んでいたので、少し前が見えづらい。


「あっ、」


足元の何かにつまづいて、少しバランスを崩した。



転ぶ…!


ガシッ


「大丈夫?」


顔をあげると
純大が腕を支えてくれていた。


「あ、ありがとう。」


「どこに運ぶの?」


純大は私の腕から段ボールを取り上げると
黙って歩き始めた。