「ううん、なんでもないよ。行こう。」


ひまりちゃんの背中をポンと押して
部屋から出た。


「じゃあ、私ちょっと兼さんと打ち合わせしてくるね。支度終わったら、車まで来てね。」


そのままパタパタと玄関の方に向かって行った。


聞こえてなくてよかった…


俺は何を言ってるんだ。
付き合ってもないのに。


付き合う…

好きだっていったら、ひまりちゃんはどう思うだろうか。


振られたら、今の生活
結構きついんじゃないか。


「あーーー」


洗面所で声をあげてると

後ろに有がニヤニヤしながら立っていた。