「髪…さらさら。」


思わず手を伸ばすと、寝返りを打った純大と距離が縮まった。


あ、
ジュンちゃんの匂い。


赤ちゃんみたいな石鹸の香り。


そっと髪を撫でるとうっすら
目を開けた。


「杏奈…もう時間なの?もっと寝たい。。。」


純大は寝ぼけているようで、
私の手を振り払うとまた向こう側を向いてしまった。


杏奈…。

そうだよね。杏奈さんも同じ仕事をしてたんだ。

こうやって起こしたりするよね…


ズキン


純大は私には優しいけど
杏奈さんにはもっと心を許している気がする。


過ごしてきた年数が違うんだ。当たり前だよね…


なんだろう。

これ…


胸が痛いよ…。