(かわいい…)


しばらくその寝顔を眺めていると
かすかに寝返りを打つ。


耳には自分のあげたイヤリングが
光っている。


「ひまり…。」


なんとなく呼び捨てで呼んでみたくなって
眠っている彼女の髪を撫でた。


「…ジュン…ちゃん。」

「ご、ごめん。起こしちゃった…?」


スー…

どうやら寝言のようだった。


自分の名前を呼んでくれることが
こんなにも嬉しいだなんて。



「バカ。だめだよ。有の前でこんなになったら…。」


指を絡めても起きそうにもない。


「襲われちゃうんだからね。」


ギシ…


そんなこと言って
下心がいっぱいなのは俺の方だ。



その寝顔にそっと唇を寄せた。


チュ…


かすかにアルコールの味がしたけど
柔らかくて甘い。

唇を放すと愛おしさが込み上げてくる。


「ひまり…好きだよ。」