「ね、ジュンちゃん!!」


あー

出たな。


「ね~」


猫撫で声出したって無駄だって。


疲れてるんだ。
寝かせてょ。


「起きろ!!!」


ボスッ


腹部に痛みを感じて、目を開くと
やっぱり杏奈がいた。


「あ、起きた♪」

「起こしたんだろ…」


だるさの残る体を起こすと杏奈がクッションを投げつけた。


「裸で寝るのやめてよっ!!」

「…なら、くんなよ。」


もう一度
横になって布団にくるまると、慌てて追いかけてきた。


「待て!」


そのまま、布団ごしに乗っかってきた。

ったく
恥じらいとかないのかよ。


「ジュンちゃん、これにサインして♪」

「やだよ、寝かせてょ」


杏奈はこうやって
すぐ友達に頼まれてやってくる。


「ねー一秒で終わるでしょ!!けちけちすんな!!」


無理矢理ペンをにぎらされて
腕を捕まれる。


はぁ


どこまで
強引なんだ。


「よし♪ありがと。」


サインを綴ってやると、杏奈はさらりとベッドから降りて、嵐のように去っていった。


蓮兄の笑い声がして、行ってきまーすと明るい声がした。