狙われてますっ!





 そのうちデザートになり、さっきとは違う若いウエイターが現れた。

 デザートはクレープ・シュゼットのようで、目の前でフランベしてくれるようだった。

 調理器具と材料の入ったカートを押し、微笑み、やってきたウエイターだったが。

 あっ、という顔をして、汐音を二度見する。

 戸惑うような素振りを見せながら、調理し始めた。

 集中できていないようだが、大丈夫か……。

 クレープが出来上がると、白く長い指のウエイターが絶妙な手捌(てさば)きで、コンロの火をグラスのコアントローに移す。

 青く燃え上がったコアントローを垂らすと、グラスとクレープをつなぐ一本の青い炎の筋ができた。

 立ち昇った香りが個室に充満する。

 いつもなら、綺麗だと呑気に眺めているのだが、今日の求は身構えていた。

 動揺したまま調理して、火を飛ばさないだろうか、と不安になったからだ。