「確かに普通にしてろとは言ったが。
普通にエンジョイしすぎだろ、派遣社員」
……いやあ、ははは。
仕事中は厳しいな、渡真利さん、と思いながら、汐音は言った。
「あのー」
「なんだ」
「渡真利さん、いささか目立ちすぎかと。
格好良すぎですよ」
どうにかなりませんかね? と言ったが、
「そういうケチのつけられ方は初めてだな」
と人待ち顔でよそを見て、渡真利は言う。
「で、では、失礼します~」
と汐音はさりげなくその場を立ち去ろうとしたが、
「待て」
と止められた。
「何処に行く?」
と今にもなにかやらかしそうな汐音に渡真利は訊いてくる。
「ス、スーパーに明太子買いにです。
明日のおにぎり作るのに」
と言うと、……おにぎりか、と呟いた渡真利に、
「行ってよし」
と言われた。
関所か、と思いながらも、これ以上なにか言われないよう、汐音は、はっ、と勢いよく返事をすると、スーパーに向け、駆け出した。
普通にエンジョイしすぎだろ、派遣社員」
……いやあ、ははは。
仕事中は厳しいな、渡真利さん、と思いながら、汐音は言った。
「あのー」
「なんだ」
「渡真利さん、いささか目立ちすぎかと。
格好良すぎですよ」
どうにかなりませんかね? と言ったが、
「そういうケチのつけられ方は初めてだな」
と人待ち顔でよそを見て、渡真利は言う。
「で、では、失礼します~」
と汐音はさりげなくその場を立ち去ろうとしたが、
「待て」
と止められた。
「何処に行く?」
と今にもなにかやらかしそうな汐音に渡真利は訊いてくる。
「ス、スーパーに明太子買いにです。
明日のおにぎり作るのに」
と言うと、……おにぎりか、と呟いた渡真利に、
「行ってよし」
と言われた。
関所か、と思いながらも、これ以上なにか言われないよう、汐音は、はっ、と勢いよく返事をすると、スーパーに向け、駆け出した。



