「あ、社長。
お疲れ様ですーっ」
「例のアプリゲーム、最初の出会いのシーン、なんかいいのないですかねー?」
「男性目線で、なにかないですか?」
職場の入っているビルに戻った求がエレベーターに乗ると、ランチ帰りの女子社員たちにそう話しかけられた。
彼女らは恋愛アプリゲームを作っている
いや、俺にそういうの訊かれてもな……と思ったが。
せっかくやる気のある社員に、なにも言葉をかけないのも悪いかと思い、求は言った。
「職場の休み時間に行った公園で知り合った男に、おむすびを渡してはじまる恋とか?」
すると、みんなが笑う。
「で、その渡した男がすごいイケメンで、会社の社長とか重役とか、アイドルなんでしょ?」
「いやー、ないない」



