汐音はビニール袋を手に、急いでみんなの待つ小会議室のドアを開けた。
「遅いっ」
と怒られるかと思ったが、輝美たちは話に夢中で、
「雨の中悪かったわね」
とねぎらわれた。
ホッとしながら、キッチンカーで買ったお弁当を配る。
社内の話をするみんなを見ながら、お弁当を食べていると、ふいに真琴が、
「そういえば、汐音って、前はなんの仕事してたの?」
と訊いてきた。
ペットボトルのお茶を飲みかけていた汐音はむせる。
「ど、どうしたの?」
と訊かれ、
「いや、ちょっとツボに入っちゃって」
と言って、
「……気管よね」
と冷静に輝美に言われた。



