その頃、交差点にもう一人、求たちを窺っている人物が居た。
車で社に戻ろうとしていた日坂武志だ。
赤信号で止まっていた武志は、公園の前に居る求に気がついたのだ。
おや? 珍しい。
求が女と居るなんて。
だが、その可愛らしい女性を見たとき、武志は何故か背中がゾワッときてしまった。
なんだろう。
あの女の子、見たことがある……。
何処でなのかわからないが、落ち着かない気持ちになり、思わず、辺りを見回してしまう。
スクランブル交差点を行き交う人とか、信号とか近くのビルとか、小道とか標識とか。
だが、思い出せない……。
何処で会ったんだろう、と思っている間に青になったので、発進してしまった。



