狙われてますっ!

「汐音」
と呼びかけると、ようやく、

「お、おにいちゃん、なにしてるの?」
と苦笑いして言ってきた。

 汐音の横に立つ男は予想通りのイケメンだった。

 知的で意思の強そうな目。

 すっと通った鼻筋。

 ……なんでこんないい男が汐音と居るんだ?
と思う繁の中の汐音のイメージは、サイズ感も色もおかしい海と太陽の絵を、

「すごいでしょー」
と見せてきた幼児の頃から変わってはいなかった。

 いい大人が、こんな年端(としは)も行かない子どもに手を出すとは、と思わず思ってしまう。

「おにーちゃん、私、もう二十代も半ばっ」
と汐音にその心の声が聞こえていたら、叫んでいただろうが。