スクランブル交差点を歩いていた繁は、傘を差す人波の向こうに見える、小さなその人影に気がついた。
……よく知ってる奴だと、かなり遠くてもわかるの、なんでだろうな。
絶対に、あれ汐音だ、と思ったのだが。
やはり、汐音じゃないかも、とも思ってしまう。
長身のすごいイケメンと居たからだ。
いや、イケメンの方は知り合いではないと思うのだが、遠目でもイケメンだとわかった。
全身からイケメンオーラを発しているようなイケメンだったからだ。
やはり、その人影は汐音だったが、近づいていっても、汐音は顔はこちらを向いているのに気づかない。
なんとなく面白くなかった。
交差点を渡り切り、目の前まで来たら、さすがに気づいたようだが。
汐音は、あれっ? という顔をしたまま、動揺しているのか、なにも言わない。



