狙われてますっ!

 ……まあ、きっと潜入先の近くだから、仕事モードから戻れないんだろうな。

 そう渡真利は思うことにした。

 だが、どのみち、厳しい目で観察したところで、求につけるべきマイナス評価は見つからなかった。

 食事するところを見ると、大体の家庭環境や性格がわかるものだが。

 求は、きちんと(しつけ)られているようで。

 一緒に大皿料理を頼んでも、譲り合えるし、取り分けも問題なくできるし。
 食べ方も綺麗だし。

 不快なことはなにも起こらない。

 渡真利の頭の中に、繁と()した――

 いや、あちらが本体なのだが……、

 繁と化した自分が、盆暮正月に求と並んだ大皿料理を囲み、仲良く一杯やっているところが浮かんでしまった。

 それはいかんっ!
となにが、いかんなのか、自分でもわからないまま、思ってしまう。