狙われてますっ!

「そういえば、あんた、まだ日坂さんと会ってないのよね。
 会いなさいよ、そろそろ。

 長く引っ張った挙句に、やっぱり思ってたのと違うって断られたら、時間の無駄でしょ?」

「ちょっと、なんで私が断られるの前提っ?」
と叫んだものの、不安になったらしく、輝美は溜息をついて言った。

「そうよね。
 私のこの恋はまやかしの上に成り立ってるものだものね」

 そうですね。
 猫耳とか、キラキラとか、何度も見返した文章とか。

 ……でも、そういうのも含めて『輝美さん』だと思うんですけどね、と汐音は思う。

 そうやって気になる人に、よく思われたいと頑張る姿が可愛い気がする。

 日坂さんもそう思ってくれるといいな、と思いながら、汐音は微笑ましく、輝美を見つめた。

「わかったっ。
 会いに行くわ!」
という輝美の叫びに、いよいよかっ、と汐音たちは見つめ、準備の手伝いをしていた新人男性社員たちも、

 なにかが起こるようだっ、と息をつめて、手を止める。