求が急に出てきたので、男二人は慌てて植え込みの陰に隠れていた。
「なんでもう出てくるんだ?
汐音に叩き出されたのか?」
と渡真利が呟くと、
「求様は叩き出されるほど積極的なことができるような方ではありません」
と有川はかばっているのか叩き落としているのかよくわからないことを言ってくる。
渋い顔をした渡真利を見て、
「なにもない方があなたにはいいんでしょう」
と有川は言ってきた。
「いや、別に仕事に支障がなければ、どっちでもいい。
汐音もあまり恋には縁のない女だから、邪魔しようとは思わない」
「そうですか?
じゃあ、なにしてんですか、こんなところで」
「……いや、だから、仕事に支障があるようなことを加倉井求にバラしたりしないだろうなと思って」
「ああ、そうなんですか」
と信じているのかいないのかわからない口調で有川は言うと、隠れた植え込みの陰から身を起こす。
「求様も帰られましたことですし。
私は、此処で失礼致します」
では、と去りながら有川は何処かに電話をかけ、言っていた。



