狙われてますっ!

 ……なんだったんだ、と思いながら、汐音は挨拶もそこそこに飛び出していく求を見送った。

 遅れて外に出てみると、求が慌てて車に乗り込み、去っていくところだった。

 出てきた汐音に気づき、中に入れっ、と手で指示してくる。

 汐音がぺこりと頭を下げて引っ込むと、車が出ていく音がした。

 部屋に戻ると、微かに求の香りが残っていた。

 汐音はひとり、切り分けたバウムクーヘンと畳を見つめる。

 なんか……ちょっと寂しいんですけど、と思いながら、汐音は求のぬくもりの残る畳の上に正座してみる。

 自分のカップを引き寄せ、一口飲んだ。