狙われてますっ!

「あ、あの、クッションかなにかいりますか?
 足、冷えるでしょう」
と言って汐音は立ち上がり、クッションか座布団を探したのだが。

 大きな求が上にのったら不安定になりそうな、コロンとしとたマシュマロ型のクッションしかなかった。

 焦った汐音は、
「あ、これ、どうぞ」
とそこにあった畳を差し出す。

 だが、すぐに、いや、畳はどうだ、と気がついたのだが、求は何故か、
「ありがとう」
と言って受け取り、畳の上に正座した。

 緊張していたからだったが、そのことには汐音は気づかず、
 
 美しいお内裏様が出来上がってしまった……、
と黒っぽいスーツ姿で座る求を見て思う。

 まあ、お内裏様、正座してないし。

 第一、お内裏様って誤用なんだっけ?
 でも、なんか言っちゃうよな~。

 男雛だと、オスのヒナみたいだし、と思いながら、汐音はマシュマロクッションに腰を下ろした。