狙われてますっ!

 なんだろう。
 強かったら、どうなのですか?

 まさか、戦おうとか?

 少年漫画的展開になったりしないだろうか。

 二人で全力疾走したあの夜みたいに、と思いながら、汐音は、

「いや~、そんなことないです。
 でも、いつなにがあるかわからないから、受け身の練習とか欠かすなよと、その……誰かが」
と訳のわからないことを言ってしまう。

 ヤバイ。
 家だと緊張感がないから、つるつる余計なことをしゃべってしまいそうだと警戒したときには、すでに突っ込まれていた。

「誰かって誰だ」

 渡真利さんですよ、とうっかり言いかけ、誤魔化そうとして、

「ちょっとその……
 誰か……、いつも鍛えてくれる人が……」
と更にわからないことを言ってしまう。