狙われてますっ!

 ……やっぱり、みなさんに行って来いと言われただけで、加倉井さんは特に来たくはなかったのかな。

 じゃあ、お茶でもお出しして、すぐにお帰りいただこう、と思いながら、先に立って、中に入る。

 ワンルームなので、クローゼットの上の段から落下したままの状態の畳がすぐ目に入ってしまった。

 しまった……。
 片付けようとしていたのに、より散らかった感じになってしまっている、と思ったとき、求が言ってきた。

「普通の畳だな」

 ……お雛様の畳台みたいに、畳縁(たたみべり)に立派な柄が入ってるやつ想像してましたね、と思う汐音に、求は、

「茶道でもやるのか」
と訊いてくる。

 ……釜がないですよね。
 畳だけ置く意味がわかりませんが。

 いっそ、お茶をやっていることにしたかった。
 女子として、なんとなく……と思いながら、汐音は言う。