仮住まいなんで物があまりないからな。
パッと見、片付いてはいる。
……でも、もうちょっと片付けてみよう、と思いながら、汐音は、せっせとクローゼットに物をしまっていた。
すると、母、利子から電話がかかってきた。
「ちよっとあんた、ひなちゃん、結婚するってよっ」
またはじまったな……と汐音は思う。
最近、同級生が結婚したり、子どもが生まれたりということが続いているので、なにか我が家にもお祝い事が欲しいと思っているのか、親が結婚という言葉に敏感になってきた。
「あんた、繁ちゃんと結婚しないのなら、誰か他にいい人居ないの」
何故、そこに繁ちゃんが登場するのですか。



