「でも、このまま出会えなかったら、そのフレンチのお食事券どうするの?
早く使わないと賞味期限切れて腐るわよ」
「いや、ナマモノじゃないんで……」
などという会話を輝美としながら、社屋に入ると、事業部の辺りに先程の男が居た。
「いやー、渡真利くん、昼休みなのにすまんねー」
と事業部の部長が廊下で渡真利と話している。
「渡真利さんっ、この間はありがとうございましたっ」
と部長と話し終わるのを待って、輝美が渡真利に話しかけていた。
うーむ。
私に威圧的にしゃべるときと違って、一生懸命で可愛いな。
私もイケメンだったら、青木さんに優しくされるのだろうか……。
とか考えながら、汐音は仕事に戻った。



