汐音とイカの打ち合わせをしそびれたから、連絡を取らねばな、
と思いながら、求は公園のキッチンカーに向かって歩いていた。
まあ、打ち合わせと称して、また会えるのも嬉しいか。
いっそ、このまま行かずに打ち合わせをつづけてもいいな、などと思い、ちょっと笑う。
公園に行ったところで、寒いから汐音は居ないだろうが。
ジャンケンで負けたので買い出しに行かねばならない。
俺が負けても武志が負けても、あいつら容赦ないからな。
社長や専務が社員たちに頼まれて買い出しとかどうなんだ……、
と思いながらも、求はメモを見つつ、みんなに頼まれたものの確認をしていた。
すると、誰かがこちらを見ている気配がした。
背の高い、線の細い印象の男。
汐音の従兄、繁だった。
信号が変わるのを待っていたようだ。
汐音にとっては兄も同然の男だ。
緊張しながら、求は呼びかける。
「繁さん」



