ところが、当たり前といえば当たり前だが。
おむすびの人は公園に現れなかった。
「この近くの人だとしても、まあ、二日連続は来ないかしらねー。
いつも此処でお弁当食べてるとかいう感じじゃなかったんでしょ?」
と真琴が訊いてくる。
「そうですねー。
ただ、ぼんやりしてる感じだったですねー」
と汐音が言うと、
「やっぱり、無職でフラフラしてたのかしらね。
イケメンでも無職になるのね」
と不思議なことを輝美が言う。
「そ、そうですね……」
などと話しながら、みんなで楽しくお弁当を食べた。
まあ、これはこれでよかったか、と思ったとき、輝美が、あっ、と声を上げた。
「あそこに凄いイケメンがっ」
凄いイケメンという言葉に汐音は、つい、あの人かと思い、見てしまったが、違った。
「なんだ、渡真利さんじゃない。
光村文具館の新しい営業の」
公園の外を通っていく長身の男を見て、真琴が言う。



